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■年度の途中で勤務日数が変わった従業員の年次有給休暇

 当社のパートタイマーAから、現在の週4日勤務から週2日勤務に変更してほしいと申出があった。

 Aには現在、週4日勤務に対応する比例的付与の年休が与えられているが、年度の途中で週の勤務日数が変更になった場合、比例的付与の年休の日数も変更されるのか。

 既にA氏に与えられている週4日勤務に対応する比例的付与の年休は、本年度についてはそのまま有効となります。つまり年度の途中で年休が減少することはありません。

 ただし、その年度が終了して次の期間の年休付与は、年次有給休暇の発生の根拠となった基準日においての所定労働日数(この場合は週2日勤務)に対応する比例的付与の日数となります。

<POINT1.所定労働日数と年休>

 労働基準法第39条では、初年度は継続して6か月間(その後は1年ごと)勤務し、全労働日の8割以上の出勤をした者には一定の年次有給休暇を与えることとしています。

 ただし、パートタイマーなど週あたりの所定労働日数が4日以下であるなど通常の労働者より少ない者については、所定労働日数に応じた比例的な年休の付与が必要となります。

 

 

<POINT2.年次有給休暇の基準日>

 今回のお題ように、年度の途中で所定労働日数が変更となった場合には、年次有給休暇の発生の根拠となった基準日においての所定労働日数が重要となります。

 年休は、6か月または1年継続勤務した者に次の年度の有給休暇として与えるものと考えられ、基準日における所定労働日数に応じた付与日数となります。

 年度の途中で所定労働日数が減少した場合でも、すでに付与された年休が減少することはなく、反対に、年度の途中で所定労働日数が増加した場合でも、同様に年度の途中で付与された年休の日数が増加することはありません。

※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※


《参考となる法令・通達など》

  • 労基法39条
  • 労基則24条の3
  • 昭63.3.14基発150