従業員が時間外労働を行った際には、厳密にその時間を把握するようにしているが、1月の合計時間についても厳密に管理を行わなければならないか。
残業時間の端数は、1月の時間外労働の合計など時間の合計に30分未満の端数がある場合にはこれを切り捨て、30分以上の端数がある場合にはこれを切り上げることも可能とされています。
<POINT1.時間外労働の把握>
時間外労働の時間数については、これをきちんと把握しなければなりません。わずかな時間でも労働時間となりますから、注意が必要です。
ただし、ある程度の端数処理を認めても、常に労働者に不利となる方法でなければ(切り上げ等)、事務簡便を目的としたものとして、労働基準法に反しないものとされています。
<POINT2.時間数の端数処理>
具体的に、行政通達により認められている端数処理の方法は次のとおりです。
1月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に30分未満の端数がある場合は、これを切り捨て、それ以上の端数がある場合はこれを1時間に切り上げる方法については労働基準法に反するものとはしない取扱いとなっています。
しかし、毎日の労働時間について、この方法をとることはできません。
つまり、毎日30分未満の時間外労働をした場合、1月合計すると10時間以上になる場合も考えられるからです。
なお、上記の他に、1か月における時間外労働、休日労働、深夜業の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合には50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げることも差し支えないものとされています。
※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※
《参考となる法令・通達など》
- 労基法24条、37条
- 昭63.3.14基発150