フレックスタイム制を採用している部門の社員が出張することになったのだですが、出張中の労働時間はどのように取り扱えばよいのか。
当社のフレックスタイム制では、清算期間(1か月)の実労働時間の合計を元に時間外労働の発生を算定することとしているので、フレックスタイム制適用の従業員が出張中に何時間労働しようとも、出張中に時間外労働は発生しないと考えて問題ないのか。
フレックスタイム制とは、フレキシブルタイムの中であれば、労働者が自由に始業の時刻や終業の時刻を選択できる制度です。
しかし、3か月以内の清算期間で労働時間を管理することとなり、この意味では毎日の労働時間の把握や、一日または清算期間の所定労働時間の概念は必要となります。
一方、出張など事業場外での勤務については、正確な労働時間の算定が困難な場合には、その業務に必要な標準労働時間を設定して、この時間を働いたものとみなす方法が用いられます。
フレックスタイム制を採用している労働者であっても同様に取り扱うことができます。
<POINT1.事業場外の労働>
労働者が事業場外で労働する場合には、業務の始業や終業の時刻が正確に把握できません。
したがって、その業務に通常必要な時間を標準労働時間として事業場外労働者のみなし労働時間を設定することが多いのです。この場合には、労使協定で標準となる一日の労働時間を定めることになります。定められた標準労働時間が時間外労働を含む場合には、時間外割増賃金の支給も必要となります。
<POINT2.フレックスタイムと事業場外労働>
フレックスタイム制を採用されている労働者が出張など事業場外労働をする場合についても、事業場外労働の標準労働時間を設定しておけば、これを採用することはできます。
みなしの標準労働時間が実態と大きく異なるような場合には、これを見直す必要もあります。
フレックスタイム制を採用した労働者が事業場外で労働する場合には、みなしの標準労働時間を採用することを就業規則に定めておけばなお有効です。
※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※
《参考となる法令・通達など》
- 労基法32条の3
- 労基則12条の3