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■年の途中で所定労働時間数の変更があった場合の時間単位年休について

 年の途中で所定労働時間数を変更したいのだが、時間単位年休の時間数はどのようになるのか。

 また、時間単位の端数が残っていた場合についても知りたい。

 時間単位年休として取得できる年次有給休暇のうち、日単位で残っている1日あたりの時間単位年休の時間数は、変更後の所定労働時間となります。

 また、1日に満たないため時間単位で残っている部分については、所定労働時間の変動に比例して残っている時間が変更されます。

<POINT1.時間単位年休1日の時間数>

 時間単位年休の制度は、労使協定を締結することにより、年5日を限度に導入することができます。

 1日あたりの年次有給休暇が何時間分の時間単位年休に相当するかについては、労使協定により定める事項となりますが、これは当該労働者の所定労働時間をもとに定めます。

 また、1日あたりの時間単位年休の時間数は、1日の所定労働時間数を下回らないものにしなければならないため、所定労働時間数に1時間に満たない時間数がある場合は、時間単位に切り上げる必要があります。

 たとえば、1日の所定労働時間が7時間30分の場合は、1日の時間数は8時間分となります。

 なお、年次有給休暇は日単位で付与されるため、時間単位年休の時間数も1日あたりの時間数を定めなければならず、前述の例において7時間30分の5日分である37時間30分をもとに、時間単位年休を38時間分とする扱いはできません。

 

 

<POINT2.年の途中で所定労働時間を変更する場合>

 年の途中で所定労働時間を変更する場合、時間単位年休として取得できる残りのうち、日単位で残っている部分については、変更後の所定労働時間が1日あたりの時間単位年休の時間数となります。

 また、日単位に満たず時間単位で残っている部分については、次の例のように所定労働時間の変動に比例して時間数が変更されます。

 

例:1日の所定労働時間が8時間から5時間に変更される場合

  • 変更前:3日(1日あたりの時間数は8時間)と4時間
  • 変更後:3日(1日あたりの時間数は5時間)と3時間

 この場合、日単位の残日数である3日の日数については変わらず、取得対象時間が変更後の1日の所定労働時間である5時間となります。

 また、時間単位で残っている4時間については、4/8日残っているものと考え、これを変更後の所定労働時間である5時間に比例して変更すると2.5時間となりますが、1時間未満の端数は1時間に切り上げ、3時間となります。

※当記事作成日時点での法令に基づく内容となっております※

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《参考となる法令・通達など》

  • 労基法39条3項
  • 平21.5.29基発0529001
  • 平21.10.5基発1005第1